皮のなめしとは?なめし方で変わる革の特徴

みなさんが持っている革財布は、どんな鞣し方でどんな加工がされてますか?
革にはたくさんの種類があり、それによって特徴も変わってきます。

本記事では鞣し方法の種類や特徴、革の加工方法をご紹介します。

鞣し(なめし)とは

皮を革にするのに欠かせない「鞣し(なめし)」。
鞣し(なめし)とは植物の樹皮から抽出したタンニン(渋)を含む鞣し剤に漬け込む工程です。

鞣しにより皮の耐熱性の向上や防腐効果、革の風合い、柔らかさを維持しています。

鞣し作業をする職人のことを「タンナー」と呼びます。タンナーによって仕上がりが変わると言われ、重要な役割をもっています。

鞣し方法

鞣し方法は2種類あります。

ピットなめし

濃度の異なった鞣し剤が入ったピットという桶に順番に漬け込んでいく方法。タンニンを皮の芯までじっくりと吸収させるので時間がかかります。

皮への負担が少なく風合いも残せるのがメリットです。

ドラムなめし

樽のようなドラムに鞣し剤を入れ皮にタンニンを叩き込む方法。ピットなめしよりも短時間で鞣せるため、近年はこの方法が多くなっています。

鞣しの種類

鞣しの種類は3種類。それぞれの特徴やメリットデメリットは以下の通りです。

タンニン鞣し(植物タンニン鞣し・ベジタブルタンニン鞣し)

みなさんが知っている「ヌメ革」はタンニン鞣しをしてそのまま仕上げたものです。

ヌメ革の色はまさにタンニンの色。皮の風合いを残し、使えば使う程深みや味が出て経年変化を思う存分楽しめます。

鞣し剤 天然植物から抽出されるタンニンエキス
鞣し方法 ピットなめし/ドラムなめし
鞣し期間 数か月
メリット
  • 経年変化を楽しめる
  • 硬くて丈夫
  • 植物成分を使っているので環境に優しい
デメリット
  • 水に弱い
  • 汚れやすい
  • ピットなめしにすると十分な場所と手間暇がかかる

クロム鞣し(ウェットブルー)

クロム鞣しは短時間で鞣し終わるので衣料品やバッグ、靴、革小物、インテリア用品など幅広く使われる方法です。

鞣された直後は革が濡れていて青色をしているので「ウェットブルー」とも言われています。

柔軟性に優れているので加工しやすく、傷が付きづらいので経年変化を楽しむよりも長年きれいに使っていきたい人におすすめです。

鞣し剤 塩基性硫酸クロム
鞣し方法 ドラムなめし
鞣し期間 鞣し剤を浸透させる時間は約1日で完了、トータルだとタンニン鞣しの約半分
メリット
  • 柔軟性、耐熱性に優れている
  • 傷がつきにくい
  • 鞣し時間が短いので量産ができる
  • お手入れの頻度が少なくて済む
デメリット
  • 経年変化をあまり感じられない
  • クロムが金属の一種のためアレルギー反応をおこす可能性がある
  • 焼却すると有害物質がでる

混合鞣し(コンビネーション鞣し)

混合鞣しは2種類以上の鞣し剤を使って鞣します。野球のグローブを作る時に使われることの多い鞣し方法です。

例としてタンニン鞣しとクロム鞣しの組み合わせをご紹介します。

使用する鞣し剤の比率の違いによって仕上がりが変わります。
2種類以上が合わさることによって単体で鞣すよりも劣ってしまうこともあるようです。

鞣し剤 天然植物から抽出されるタンニンエキスと塩基性硫酸クロム
鞣し方法 ドラムなめし
鞣し期間 タンニン鞣しの時よりも短時間
メリット
  • タンニン鞣しとクロム鞣しの良いとこどり
  • 丈夫
  • 柔軟性に優れている
  • 低コスト
デメリット
  • タンニン鞣しだけの時よりも経年変化を感じにくい
  • クロム鞣しだけの時よりも耐熱性は劣る

革の加工方法と特徴

加工方法によって同じ革でも全く違う表情になり革の面白みを感じますよね。
革の表面を「銀面」、裏面を「床面」と言い、この両面を使って加工していきます。

革の加工はどれくらいあるのでしょうか?

ヌメ革

タンニン鞣しのみで染色などをしていないそのままの革。革本来の質感や風合いがあり、使えば使う程深みが増し経年変化を思いっきり楽しめます。

ただ水に弱いことや傷がつきやすいので注意が必要です。

オイルレザー

タンニン鞣しを施す時にたっぷりのオイルを染み込ませて加工したもの。特徴は革がよりしなやかになり耐久性に優れる点。

高級感のある艶と触り心地の良さがあり、使うほどに染み出たオイルで深みが増します。
オイルを染み込ませる工程は手間暇がかかるので他の加工された革よりも価格が高まります。

スウェード

革の床面をサンドペーパーで毛羽立たせたもの。起毛感は温かみがあり、傷がつきにくいです。
毛足が短く柔らかな毛質ほど上質なスウェードといわれています。

元々はキッドスキン(子ヤギ革)が主流でした。近年ではカーフスキンやピッグスキンも増えてきています。

ヌバック

床面を毛羽立たせるスウェードに対してヌバックは銀面を毛羽立たせます。
スウェードよりも毛足が短く、きめが細かいです。

主に牛革が多く、鹿革を使ったヌバックは「バックスキン」と呼ばれています。

ブライドルレザー

タンニン鞣しの後に数か月以上にわたり何度もロウを染み込ませたものがブライドルレザーです。
使い始めはブルームという白い粉がふいています。

使っていくうちに染み込んでいくので白っぽさはなくなります。
耐久性にも優れているので長く使え、使い込むことによって生まれる奥深い光沢は人気の1つと言えるでしょう。

鞣しから縫製までとても手間や技術が必要なので価格は高めです。

シュリンクレザー

「縮む」という意味を持つ「シュリンク」。
シュリンクレザーは鞣しの過程で特殊な薬品を使い、銀面にシボ(しわ模様)を作ります。

独特なシボによって、傷が目立ちにく、柔らかな手触りとなります。

もみ革

薬品を使うシュリンクレザーに対して、薬品を使わずに革を手や機械で揉み込みシボ(しわ模様)をつけた革。

揉む方向によって名前が変わり、1方向は「水シボ革」、2方向は「角シボ革・角もみ革」、多方向は「八方もみ革」と呼びます。
シュリンクレザーよりもシボはあまり目立ちません。

型押しレザー(エンボスレザー)

鞣した後の銀面を高温高圧のプレス機で型押し模様を付けたもの。
とくにクロコダイルやヘビなどの高価な模様の型押しが多くあります。

近年では本物と見分けがつかないくらいクオリティーが高いものもたくさんみられます。

エナメルレザー

クロム鞣しの後に銀面にエナメルやウレタンなどの合成樹脂を塗装したものです。
艶やかな光沢と耐久性、耐水性に優れています。

ゴージャスな雰囲気が魅力的な反面、革の風合いや経年変化を感じにくいです。

革の種類や特徴を知ろう

今お使いの本革財布の革の種類を知っていますか?
鞣し方や革の種類は奥深く、知ることでますます本革財布への愛着が増すはずです。
自分だけの経年変化が楽しめるのが本革財布の魅力です。是非自分だけの本革財布を育てていきましょう。

<参考>【完全ガイド】革の種類と特徴

まとめ

いかがでしたか?

鞣し方法によって革の特徴が変わり、加工によって革の表情が変わることがわかりましたね。

本記事を参考に革財布を選ぶ上で革の種類や経年変化を楽しみ方、革の耐久性など自分の理想に合わせて選んでみてくださいね。

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