革財布のお手入れアイテムで欠かせないのがブラシ。
お手入れの一番最初に革財布全体のほこり落としをする時や最後に余分な防水スプレーを落としたり、革目を整えてくれる等なくてはならない存在です。
また、通常よりも小さいペネレイトブラシは、縫い目の間などの細かなところのお手入れに便利なアイテムです。
ブラシと言っても簡単でなく、馬毛や豚毛、スウェードブラシといった専用のものもあるので、どの革タイプにどの毛質のものを選んだらよいか悩む人も少なくありません。
間違ったブラシを使って傷がついてしまうことも…。そこで今回はブラシ選びに役立つ種類や特徴、使い方などをお伝えします。
目次
はじめに
ブラシは素材によって硬さやこしの強さが違うので、お手入れの工程ごとに分けることをおすすめします。そうすることによって仕上がりが全く違ったものになりますよ。
スムースレザー | 起毛革 | |
---|---|---|
汚れ落とし | 馬毛ブラシ | クレープブラシ/スウェードブラシ |
レザークリームを塗る | ペネレイトブラシ | ― |
レザークリームを伸ばす | 豚毛ブラシ/化繊毛ブラシ | ― |
仕上げ磨き | 山羊毛ブラシ/馬毛ブラシ | 馬毛ブラシ |
革財布のお手入れについてはこちらをご覧ください
<参考>【完全ガイド】革財布の失敗しないお手入れ方法とレザークリームおすすめ7選
上記の表はあくまでもおすすめの使い分けです。自分にとって使いやすいブラシでお手入れすることが大前提です。
ブラシは種類も多ければ価格もピンキリです。正直値段によって善し悪しが分かれると言っても過言ではありません。
一つ一つ探していたらものすごく時間がかかりそうですし、すべて高級なものでそろえるにはコストがかかりすぎますよね。
馬毛ブラシや豚毛ブラシ、山羊毛ブラシは一度購入したらブラシを育てながら使っていくので、大きく破損しない限り買い替えることは滅多にありません。
少し高くても長い目で見たらとてもお得ですし、馬毛は価格を抑えて仕上げの山羊毛ブラシは奮発しよう!など重要視する工程で考えても良いでしょう。
ペネレイトブラシは500円以下で買えるものもあるので負担になりにくいですね。
豚毛ブラシの特徴
毛質が固めでこしがしっかりしているのが特徴です。
毛質が固いがゆえに強くブラッシングすると跡が残る可能性もあるので注意が必要です。豚毛は上手に使えば艶出し効果抜群ですし、レザークリームも均一に伸ばすこともできるので、馬毛よりも使いやすいと愛用している人もたくさんいます。
おすすめの豚毛ブラシ
SAPHIR ポリッシャーブリストルブラシ124×38×40mm(毛長21mm)の持ちやすいサイズと側面の溝が滑り止めになってお手入れがしやすいのがポイントです。また、こしが強く毛足が長いのでレザークリームが伸ばしにくい細かい場所でも簡単にブラッシングできると評判です。
豚毛ブラシの使い方
弾力がありこしも強い豚毛ブラシは、レザークリームを伸ばして馴染ませるのに使われることの多いブラシです。
皮革にレザークリームを押し込むようなイメージでブラッシングしていきますが、毛質が固いのであまり強く力を入れてしまうと表面に傷がついてしまいますので注意が必要です。最初は様子を見ながら行いましょう。
豚毛ブラシも馬毛ブラシ同様、使っていくうちにブラシが育っていくので、大きな破損がない限りは買い替えることはありません。
ただし、財布を買い替えた時に今まで使っていた色とは違うのであれば、色移りを防ぐため新しい豚毛ブラシの購入をおすすめします。
馬毛ブラシの特徴
毛質は豚毛よりも柔らかくさまざまな革タイプにも合うので使い勝手が良いと高評価。適度に弾力もあるのでお手入れ初心者の人には一番使いやすいブラシです。
しなやかな「たてがみ」とコシのある「尻尾」の2種類に分けられますが特段大きな差はありません。好みで選びましょう。
おすすめの馬毛ブラシ
コロニル 馬毛ブラシ弾力性の高い馬毛がこれでもかという程に詰まっているのでほこりも落としやすく人気のブラシです。
大きさも17cmとしっかりしているので扱いやすく、日々のお手入れが楽しくなったとの声が多く聞かれます。馬毛ブラシ選びに迷ったらこれに決まりです。
馬毛ブラシの使い方
ほこり落としや仕上げ用に使われる馬毛ブラシは、色々な革に使えるので持っている人も多いのではないでしょうか。
使っていくうちにブラシにレザークリームが浸透し育っていくので大きな破損がない限りは買い替えることはありません。
また、ほこり落としと仕上げ用で馬毛ブラシを使うのであれば、用途ごとに購入することをおすすめします。せっかくきれいにお手入れしたのに、ほこりがついたブラシで仕上げたら最初からやり直しになってしまいますからね。
山羊毛ブラシの特徴
毛質がとても柔らかくお手入れの仕上げ時に使います。
メイクのチークブラシにも山羊毛が使われるほど肌に優しく繊細です。皮革を傷つけることが少ない反面、こびりついた汚れを落とす力はあまりありません。
豚毛や馬毛に比べて価格はお高めですが、長く使えてほとんど買い替えることのないブラシですから、質の良いものを購入しても損はないと思います。
おすすめの山羊毛ブラシ
コロニル 1909ファインポリッシングブラシ豚毛や馬毛に比べるとやや価格は張りますが、上質な山羊毛をふんだんに使っているので仕上げ磨きにもってこいのブラシです。
使い始めは抜け毛が多く感じるかもしれませんが、ブラシを育てていくうちに落ち着いてきますし満足のいく仕上がりになりますよ。
山羊毛ブラシの使い方
山羊毛ブラシを革財布全体に優しくブラッシングすると艶が出ます。
ただし、初めて山羊毛ブラシを使うときは、まだブラシが育っていないために軽く傷がついてしまいます。
何度か使っていくうちにブラシが育って傷がつきにくくなりますので少しの間、辛抱が必要です。山羊毛ブラシは馬毛よりも毛が細く柔らかい分とてもきめ細かな仕上がりになりますよ。
化繊毛(化学繊維毛)ブラシの特徴
動物毛のほうが天然素材ということでイメージが良く、人口素材の化繊は手に取りづらい人も多いのですが実は意外と優秀なんですよ。
1本1本の太さや質が均等で、毛が抜けにくいのもポイントです。価格もお手頃なのもうれしいですね。
おすすめの化繊毛ブラシ
M.MOWBRAY プロ・ブラシ化繊毛を侮ってはいけないと思い知らされるのがこのプロ・ブラシです。
183mm×50mmと少し大きめサイズ。馬毛ブラシや豚毛ブラシと変わらない使い心地なので一度使ったら病みつきになる人もいます。抜け毛がない点、価格が優しい点も人気の秘訣です。黒色と白色が選べますよ。
化繊毛(化学繊維毛)ブラシの使い方
化繊毛ブラシは豚毛ブラシと同じレザークリームを伸ばす役割をします。使い方も豚毛ブラシと一緒です。
皮革にレザークリームを押し込むようなイメージでブラッシングしていきます。
力を入れすぎると傷がついてしまうので初めはドキドキすると思いますが、弱い力から始めて徐々に力を入れて調節していってくださいね。
買い換えなどで今までと違った色の革財布をお手入れする時は色移りを防ぐために、化繊毛ブラシも新しいものを用意しなくてはなません。
お手入れアイテムの価格を少しでも抑えたい人は、豚毛ブラシより化繊毛ブラシを色の分だけ買いそろえた方が良いかもしれませんね。
ペネレイトブラシの特徴
ペネレイトは「浸透する」という意味。ブラシ自体が小さいのでレザークリームを塗る際にかゆい所に手が届くので1本あると便利なブラシです。
手を汚さずにお手入れできプチストレスが回避できます。
おすすめのペネレイトブラシ
M.MOWBRAY ペネレイトブラシこのペネレイトブラシは豚毛と馬毛の2種類があります。豚毛は化繊毛との混合、馬毛は馬毛100%です。
細かいところにレザークリームが行き届き、早く買えばよかったという声が多数集まっています。毛が固まってしまったら水かぬるま湯ですすいでくださいね。
ペネレイトブラシの使い方
ペネレイトブラシは皮革の表面のほこりを落とした後、レザークリームを毛先に少量取り(米2〜3粒程度)革財布全体に塗っていきます。
くるりくるりと円を描くようにすると均等に塗れますよ。もちろんクロスを使っても良いのですが、レザークリームが細かい部分まで行き届くのはペネレイトブラシの強みです。
また、手が汚れないという点もお手入れのプチストレス解消になりますよね。
何度か使っていくうちに毛先がレザークリームで固まってしまいますので、そんな時は水かぬるま湯で洗ってあげましょう。
もし、落ちきらないようであれば毛先に中性洗剤を染み込ませるとキレイに落ちます。洗い終わったら水分をしっかり拭き取り完全に乾かしてくださいね。
豚毛ブラシと同じで買い換えなどで今までと違った色の革財布をお手入れする時は、色移りを防ぐために新しくペネレイトブラシを新調しましょう。
スウェードブラシの特徴
スウェード用ブラシは汚れ落としに使います。
豚毛ブラシの中心にワイヤーブラシが混ざったものや、ゴムブラシと毛や化繊のブラシが1本にまとまった多機能のものまで様々。
ワイヤーブラシが混ざったものは力加減などの技術が必要になってくるので、ゴムブラシと化繊毛ブラシがセットになったスウェード用ブラシをおすすめします。
おすすめのスウェードブラシ
コロンブス スウェードブラシBこのスウェードブラシは化繊毛ブラシとゴムブラシがセットになった多機能ブラシ。
ポリプロピレンブラシで隙間や縫い目の細かなところのほこりを落とし、ゴム部分で表面に付いたほこりを落とします。価格もワンコインで手に入るので、ちょっと試しに買ってみようかなと思っている人にも手に取りやすくおすすめです。
スウェードブラシの使い方
生ゴムと化繊毛ブラシがセットになったスウェードブラシは、皮革表面を生ゴムでブラッシングし縫い目などの細かいところは化繊毛ブラシでブラッシングしていきます。
持ち手がグリップになっているので持ちやすくお手入れ楽々。クレープブラシと同じで生ゴムは温めて柔らかくしてから使ってくださいね。
そして、優しく「四方」にブラッシングすることがポイント。一方だと汚れがかき出されずなかなかきれいになりませんよ。
クレープブラシの特徴
通常豚毛や馬毛が付いている部分に、薄く平たいゴムがドレープ状になっているものがクレープブラシです。
一見ブラシには全く見えないのですが、起毛革のお手入れに1つは持っておきたいアイテムです。
おすすめのクレープブラシ
SAPHIR 生ゴムクレープブラシクレープブラシの中で最も人気の高いのがこのSAPHIRの生ゴムクレープブラシです。
起毛革の毛を起こししっかり汚れを落として毛並みを整えます。使い方に慣れてしまえばこの生ゴムブラシ以外使えなくなりますよ。
クレープブラシの使い方
クレープブラシは乾燥していたり気温が低いとゴム自体が固くなり皮革を傷つけてしまうことがあるので、手で揉み温めて柔らかくしてから使ってくださいね。
優しく四方にブラッシングすると毛が立って奥に入った汚れが落ちます。使っていくうちに生ゴムが汚れてきたら、ハサミなどでカットして元の状態に戻して使ってくださいね。
また、色移り防止の為に革財布の色ごとにクレープブラシを複数用意すると良いでしょう。
まとめ
ブラシは素材によって硬さやこしの強さも様々です。
とても良いブラシを買っても使い方を間違えれば皮革を傷つけてしまいますので、しっかりと使い方を把握してブラシを使っていきたいですね。